タイトルに関してはいろいろ考察しているエッセイみたいなのが、それこそ小説家になろう自身にも沢山投稿されてるし、みかみてれんてんてーみたいななろう作家さん達も触れてるから今更なんでしょうけど。
もはやテンプレと化していて上記のみかみてれんてんてーとかも確かツイッタで、
「異世界ものは書こうと思った時点で9割完成しててとても楽なんだけど、テンプレの冒頭部分が終わると書くのが大変になって大体エタる」←うろ覚え
とかみたいなことを呟いていたような。
注:エタる=エターナル、作品が完結しないまま作者が放置してしまうこと。
※検索したら発掘できました。やっぱり間違えて覚えてた。
なろうテンプレを用いて、好きなことを最初から好きなように書くと、展開はスピーディで筆も乗ります。その代わりテンプレ部分が終わった後は、その9割を自分で構築しなければなりません。すなわち、今までの十倍の労力がかかるのです。これが落とし穴だと、わたしはイサギも書かずに考えています……
— みかみ てれん(15才) (@teren_mikami) 2013, 11月 6
もう、需要と供給がマッチしすぎてて、小説家になろうは特定ジャンルしか受けないサイトになってしまっているようなのですが(それ以外のジャンルの作品を書き、またそれを求めている読者さんもいることでしょうけど、ランキングとかには載ってこないので目につきづらいというか埋もれすぎ)。
大体転生物だと、
累計一位は無理だけど、これを書けば日刊には乗るよ
・幼女を助けてトラックに轢かれる
・その事故が神さまのせいだったと死後の世界で言われる
・地球には戻れないけど、お詫びにチート能力を持って転生できると言われる
・異世界の美形で善良な貴族夫婦の家に生まれる
・メイドに不審がられながらも、幼少時から異世界の把握に努める
・家の書庫で魔法を独学する
・家の領地でNAISEIの初歩を行う
・近所で苛められていたガキ(実は女の子)を助けて懐かれる
・魔法が親バレして家族会議で人生の方針を検討される
・美少女魔法使いが家庭教師の先生になる
・魔法能力が飛躍的に向上して大学レベルになる
・この頃には主人公のNAISEIで領内に神童の名が広まっている
・王都の魔法学院に留学することになる------------------------------ ここまでで幼年期終わり
・最初に仲良くなるのは、都会の商人とかの平民の子供
・測定で、魔力が人並み外れていたり、属性が超レアだったり複数持ちと分かる
・関西弁の実は強キャラの同級生が面白いやつやなーって急接近
・エリート家系で優秀なクラスの男子に見下されるけど模擬戦で圧倒する
・そいつらを倒して、新たな二つ名と俺様学院生活ゲット
・生徒会長に目を付けられて生徒会に誘われる
・野外実習時に安全な場所なのに何故か凶悪な魔物と遭遇。エリート女の危機を救う→つんデレる
・変わりだねの先生に興味を持たれて、変なアルバイトを請け負ったりもする
・教師ですら思いつかない独自魔法を生み出したりする
・王国の成り立ちに関わるような秘密を、図書館の資料から見つけ出してしまう
・何故か、王国の敵対勢力側の人間にものすごい高評価をされる
・料理や発明で魔法学校のヒロインたちの話題になる
・卒業時には、王宮のエリート部署に誘われるけど広い世界が見たいという理由で拒否---------------------------- ここまで魔法学校編
みたいなテンプレが某巨大掲示板に書かれてたりするぐらいの状況です。
実際に上記のあらすじをそのまま作品にした人はいないでしょうけど、なんとなく書き始めると大体似たような展開になってしまいます。
全部が全部じゃないでしょうけど、似たような話が多い。そして沢山異世界ものを読むと自分の中でパターンが出来てしまう。
じゃあ、なんか書けそうだと思って書いてみたら書ける。
で、才能ある人で運の良い書き手さんはそれが評価されて自信がついて、才能もあるのでそこから面白い作品を更新していく、みたいな。
誰も興味ないと思いますが、私も上記あらすじ? を元に書いたことがあります。(一応ランキングには載りました。運の要素が大きかったのですが)
そのまんまだと面白くないというか自分がやる意味ないのでアレンジを加えながらですが。
その結果、どんどんテンプレから逸脱してって、30万字くらい書いたところで飽きてエタったわけですが。何時かは完結させてやらねばなぁと思ってる作品ですはい。
(補足しとくとちょっと創作に行き詰った感じで、王道爽快ファンタジーのはずが、ダークファンタジーになって軌道修正しづらくなってじゃあちょっと時間戻して学園編ぐらいからやりなおそうと思いつつも他の作品とかも書いてるし、設定とかもう忘れたので、読み直して思い出したりとか準備に時間がかかってしまうからなおさら面倒でry)
どういう風にいじったかというと(読み飛ばしてください)、
・幼女を助けてトラックに轢かれる
→なんか暗黒の魔王を倒す力を手に入れるために異世界に自分から飛び込む
・その事故が神さまのせいだったと死後の世界で言われる
・地球には戻れないけど、お詫びにチート能力を持って転生できると言われる
神様とか関係ない
・異世界の美形で善良な貴族夫婦の家に生まれる
→貴族じゃなくって王族の王子
・メイドに不審がられながらも、幼少時から異世界の把握に努める
→確かに泣かない赤ちゃんって書いてましたね。17歳ぐらいの知能があるので恥ずかしがりながら、おもらししたら怪しまれないように泣くみたいな
で、こっから独自路線にいっちゃって、王族が革命で没落して、引退した騎士とメイドが連れて逃げてくれて、山奥で暮らすという風になんか変な方向にいっちゃいました。
・家の書庫で魔法を独学する
→高名な魔法使いが魔法を教えてくれる。
・家の領地でNAISEIの初歩を行う
→内政には関わらない(関われない)
・近所で苛められていたガキ(実は女の子)を助けて懐かれる
→露店やってたら貴族の御嬢さん(双子、ツンデレ、ヤンデレ)と顔なじみになる。
・魔法が親バレして家族会議で人生の方針を検討される
→なんかそんなこともあった。でも元王子だからその力は何時か役に立つだろうみたいな
・美少女魔法使いが家庭教師の先生になる
→上記貴族の御嬢さんの家にお世話になって美魔女魔法使いが先生になる。
(但し既にその先生より実力は上。生まれ持ってのチート持ち)
・魔法能力が飛躍的に向上して大学レベルになる
・この頃には主人公のNAISEIで領内に神童の名が広まっている
→逃げ延びた王子なので名を変えてばれないようにひっそりと暮らす
・王都の魔法学院に留学することになる
→結局王都の冒険者学校に留学(帰属の御嬢さんツンデレのほうと一緒に)
みたいな。だいたい一緒でちょっと弄った設定が後々響いてくる。
大体エタるのって、オリジナリティ入れた部分が後々響いて来てその先の展開がテンプレじゃあ書けなくなって面倒になるか、読者がつかず、評価されずに飽きるか。テンプレ踏襲しすぎたら、なんか意味なくね? 自分が書かなくてもいいよね? って気づいて虚しくなるか。飽きるか。
脱線しました。(全然何を書こうか考えずに書いてるから脱線でもないんですけどね)
で、やっぱりなろうテンプレって面白いから&安心するから人気がでるわけで。
駄作も多く生まれるのは必然ですが、小説を書くきっかけが沢山の人に与えられるよい状況だとは思うのですよ。
プリキュアだって、戦隊ヒーローものだってワンパターンだし。
ガンダムなんて、
・少年がコロニーで暮らしている
・幼馴染が居る
・親がMSの技師、開発者
・敵が新兵器の偵察や奪還に来る
・なんか操縦できて追い払う
・戦艦に人手が足りないとかコロニーにもう住めなくて乗り込む
・なんか活躍する
・知り合ったお姉さんとかと幼馴染の間で揺れ動く
・微妙なポジションのキャラが死ぬ
・敵の女パイロットとも知り合う
・ライバルと敵の女パイロットを奪い合う感じになっちゃう
・塩を探す
・孤児を乗せる(降りるチャンスはあるけど降りない)
・敵の女パイロットは大きな機体に乗って死んじゃう
・ライバルたちにも言い分はある
・本当に悪いのは別にいる
・主人公機パワーアップ(新型に乗り換え、あるいはマグネットコーティング)
・倒す
時系列無視して1stとΖで書きましたが、ガンダムもテンプレがあって、真似してる作品も多いとは思いますけど(エヴァの冒頭とか)、さすがにそっちは商業とかなので、オリジナリティいれてばれない程度にしているのがアニメとか本屋のラノベとかの世界ですよね。ラノベなんてどっちかというと新ジャンル作るために新人賞やってるわけだし。売れ線なんて貴重なパイの奪い合いにしかならないし、書き手は五万といるだろうし。
結局文字数が多いだけで何が言いたいかさっぱりです。
なので、冒頭のブログ? さんからまとめ文章を引用させていただきましょう。
「なろう」に慣れていないで数本作品を読むと「なんでこんな同じ設定使いまわされてるんだ??」と不思議な気分になる。シェアワールドでもないし、二次創作とも言い切れない、ちょっと不思議な感覚である。
http://juangotoh.hatenablog.com/entry/2015/12/17/210910 から勝手に引用
シェアワールドや二次創作に近い部分はあると思うんですよね。
ただ、原作を尊重しなくてもいいし、これがベースっていうきちっと固まったものがないから、選択肢が沢山ある。
ちょうどRPGのキャラクターメイキングみたいな感じで、
・職業何にするか?
・各ステータスのパラメーターをどう割り振るか?
・装備やスキル構成
みたいなのを自由にチョイスしながら、自分で考えた設定を放り込んでいけるというパズルみたいなもので、異世界がゲーム風なのもやっぱり親和性が高いんでしょうな。テンプレ小説と。
スポ根とかでもやってることは同じだと思うんですよ。
・野球部がない→野球部作る→メンバー足りない→他の運動部から引き抜く
パターンとか、
・実力あるのに二軍→一軍を倒す
・速球が通用しない→変化球覚える→何故か最後は直球勝負で最後の一球が最高の球
・使えない監督が来る→なんか実は使える監督だった
とか。
なろうが特異なのは、決して商業作品ではないので(もちろん商業目指して書いている人も多いでしょうけど)、オリジナル要素をいれて他の作品と差別化(なおかつパクリと言われないようにする)する必要を感じないってとこ。
これといった大ヒット作がないから(無職転生なんて一般の人にまで浸透してない)、これってガンダムの二番煎じじゃんみたいなこと言われにくい、人気作だってそもそもなろうテンプレを踏襲している。
なんかなろうテンプレって自由に使っていい雰囲気になってる ってか皆でちょっとずつ作ったものなので罪悪感なしに気軽に使っちゃえる。
テンプレを求める読者が多い。
もろもろの事情なんですかね。後は、もう様式美というか、パターンが少なく、打ちきりとかもないし、小説書くのって漫画書くのに比べて時間かからないからどんどん量産される。その分いろんなパターンが生れるわけだけど、どうしてもこの展開どっかでみたなあが目につく。
新しい設定や展開が生まれるとそれをパクる(言い方悪ければ参考にしたフォロワー作品)が多発して、新たなテンプレとして組み込まれるというサイクルですね。
いつもながら長い割に要点をまとめて無くって推敲すらしてない、だらだらした記事ですみません。
ではノシ
付け足しとくと、なろうテンプレ系でも人気出た作品とかはちゃんと個性あったり、普段の描写が面白かったり、どうしても長編になるのでテンプレの向こう側を構築する才能が必要だったり、はじめっからちょっと他と違う設定があったり、人気出たり書籍化する理由はちゃんとある作品が多いです。
たまに、1巻分くらいしか書かれてないのに書籍化の声がかかってしまう、出版社のステマとしか思えないような、これでもか! っていうテンプレチーレム小説もあるんですけどね(何とは言いませんが)。まあ、そういう作品も求められているんでしょう。そこそこ売れるんなら商売になるし。
ちゃんと個性ある人気作って賛否両論あったりすることのほうが多いし。(実際に読んで合わないなあと思った作品が沢山あったり、同じ作者でもそう)
(チーレム=チートでハーレム)