ぐらんこ。の部屋(るーるるー♪)

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オチつかず

醜い斧の子(R-15:残虐要素あり)

昔々、右手が斧の子供が居ました。
兄弟姉妹たち、同世代の友達からは、醜い斧だ、醜い斧だ、と罵られて暮らしていました。
当時は、教育委員会とかが隠蔽体質だったのです。

ある日、斧の子は、泉に行きました。
いじめっこたちの返り血を洗い流すためです。
右腕を洗い終わった時に、泉から神様が登場しました。
「お前が拭った返り血は、おののの○の返り血か?」
「いえ、おのの○かの返り血ではなく、他の右手がおののこの返り血です」
「そんなことはないだろう、血液型がA型ぢゃ」
「A型人口は多いので、そういうこともあるかと」
「正直ものだ、ではお前の左手をこの金の斧に変えてやろう」

こうして、醜い斧の子の右手はもともとの鉞で、左手が金の斧になりました。
右足は鉈で、左足はチェーンソーです。
全身兵器となった、刃物の子は、一路、山を目指します。
こうなってしまっては木こりとして暮らしていくしかありません。
熊が出ました。それも全身が鋼鉄で覆われた鋼鉄羆です。

「鉄製の武器では歯が立たない、ましてや金の斧なんて……」
「刃物の子や……、それは金ではない」
 神様の声が響きました。
「こんなに金色に輝いて錆もしないのに、金ではないですって?」
「そうじゃ、あの時は金と言ったが、それは……」
 そこで声は途絶えました。実際のところ、金だったのかもしれません。

 羆が語り掛けてきます。
「おらあよう、こんな身なりだから人々から恐れられているが、実際ははちみつを舐めながらだらだらくらしたいんだ。どうだ? その金の斧、ゆずってくれないか? それを売って山ほどはちみつを舐めてみたい」
「では家来になるなら、この金の斧を与えよう」
「家来になるから金の斧を譲ってくれ」
 斧の子は金の斧を羆に譲り、代わりにその辺の木の枝を腕に装着しました。
 左右でバランスが大きく変わってしまったので、後元々、左足のチェーンソーが勝手に動いたりするので、斧の子はまっすぐ歩けなくなってしまいました。
 いくらまっすぐ歩こうとしてもその場でぐるぐるぐるぐると回ってしまいます。
 ぐるぐるしているとバターになってしまいます。

 ちょうどそこへ羆が帰ってきました。
「斧の子、もとい、刃物と木の棒の子、はちみつが沢山買えたよ! せっかくだからパンケーキにでも塗って食べようと思ってるんだけど、生憎、バターがない」
「バターならここにあるさ」
 バターになってしまった元醜い斧の子は言いました。
「だが、小麦粉も卵も砂糖もフライパンもない」
「買ってこなかったのか?」
「はちみつを買ったらそれでなくなった」